データ復旧のチャンスは1回だけ!?
ハードディスクは超精密機器です。異常が発生している状態でパソコンの再起動を繰り返したり、ご自分でデータ復旧ソフトを試したり、長時間に 及ぶチェックディスクなどはハードディスクに対し致命的なダメージを与えてしまいます。トラブルが発生した場合は、速やかにパソコンの電源を切り使用しないようにしてください。
データ復旧率を下げないための7つのポイント
[1]電源の入り・切りや再起動を繰り返さない
トラブルが発生したパソコンで通電や操作を繰り返すことは大変危険です。また、再起動を繰り返すとハードディスクに致命的なダメージを与える場合があります。障害内容・対処方法が明確でない限り、電源の投入は行なわずできるだけ早くご相談ください。
[2]市販のデータ復旧ソフトを使用しない
データ復旧ソフトやディスクユーティリティの使用を続けることで障害が進行する危険があります。特にデータ復旧ソフトはハードディスクに対し大きな負荷を与えます。市販のデータ復旧ソフトで復旧できるのは軽度論理障害で、なおかつハードディスクが正常に動作している場合に限られます。障害状態が明確でない場合、データが復旧できないばかりか正常な手段で復旧できたはずのデータが復旧できなくなるなどの可能性が高いため使用を控えましょう。
[3]チェックディスク・デフラグをしない
パソコンを起動させるとチェックディスクを行うかどうかの画面が表示されることがあります。チェックディスクの実行画面が表示される時はハードディスクの 状態が悪くなっている可能性がありますので安易に行なわず、キーボードのEscボタンを押してキャンセルをして下さい。再度、電源を入れても同じ状態にな る可能性がありますので、電源は入れず早めにご相談ください。またデフラグも同じでハードディスクに致命的なダメージを与える可能性があります。トラブル の原因や状況がわからないまま行うことは危険ですので行わないことをおすすめしています。
[4]ハードディスクを分解しない
ハードディスクは超精密機器です。内部にホコリ1つ、指紋1つ入るだけでもデータ消失の危険があります。また、内部に特殊なガスを充填された状態で密閉されたモデルも存在しますので分解してしまうとガスが逃げてしまい、動作時にトラブルが発生する可能性があります。ハードディスクを分解するためには内部にチリや異物が混入しないようにするための専用のクリーンルーム・クリーンボックス、そして専門の知識が必要になります。インターネット上にハードディスクの分解方法が記載されている場合がありますが、機種により大きく異るため間違った作業をしてしまうことがあります。一度、分解してしまうと元に戻すのも非常に困難ですし、正しい方法でなければデータの消失の恐れがあります。
[5]衝撃を与えない
ハードディスクのデータ記録面と読み取りヘッドの距離は2nm(=0.000002mm)で、衝撃を加えることでデータ記録面とヘッドが接触してしまい損傷します。損傷した部分はデータ情報が正しく読み取れなくなることがあります。特にパソコン本体から取り外した状態のハードディスクを通電させたり、USBハードディスクなどは動作時に内部ディスクが高速回転しているため、動作中にうっかり動かしてしまうことはハードディスクに大きなダメージを与えます。
[6]リカバリをしない
パソコンの調子が悪くなった場合、リカバリ(初期化)をすすめられることが多いですが、リカバリはハードディスク内のデータが工場出荷状態に戻ってしまいますし、リカバリ前に保存したパソコン内部のデータは全て消去されます。一度、消去されたデータの復旧は非常に困難になり、データ復旧率は大幅にさがります。パソコンに必要なデータが残っている場合はバックアップ、もしくは復旧が終わってからリカバリをおこなう必要があります。
[7]水濡れの後の電源投入をしない
ノートパソコンなどに飲み物などをこぼした場合や、水没により水濡れ状態になったパソコンの電源を入れると、電気的な障害が発生します。少量の水分であればハードディスク内部への浸水の可能性は低く、データを復旧できる可能性が高くなりますが、一度通電してしまうことでショートなどが発生し、故障してしまう可能性があります。水没した場合は電源投入は行わず、コンセントを抜きバッテリーを取り外し、可能な限り水分を拭き取り風当たりの良い場所で乾燥させてください。ハードディスクは密閉されているため、早急に水分を除去できれば内部のデータは無事に復旧できる可能性が高くなります。