デジカメで撮った写真をうっかり消してしまったとお問い合わせがありました。
必要な写真と不要な写真を整理している時に、うっかり必要な写真を選択してしまい10枚程度消してしまわれたとのことでした。

パソコンならゴミ箱に入っているのでゴミ箱から戻せば良いのですが、デジカメ上で削除操作をされていたため、操作を取り消すことができずお困りになられていました。

使用されていたのは32GのSDカード(microSD)で必要な写真は撮影日がはっきりしていましたので、指定の撮影日のデータを復旧させていただくことになりました。
同じ日に撮影したデータは20枚程度でその内の10枚程度が誤って消してしまったデータということでした。

この場合、事態を悪化させないためにはSDカードに対してデータの書き込みをしないことが大切になります。
パソコンでもデジカメでも同じですが、消去という操作は記憶媒体に対してこのデータは不要であるという指示を出し、今後データの書き込みをする際にこのデータの存在していた領域に対して書き込みを許可することを表しています。
したがってデータ消去の直後はそのデータの存在していた領域にはデータは残っていて、見ることはできませんが特殊なシステムを使用することで可視化しデータとして扱うことが可能になります。
しかし、データは撮影データだけでなくデジカメ内部のシステム情報なども書き込まれる可能性があるため、撮影はもちろんそれ以外の操作をすることは極力控えることが大切になります。

今回お預かりしたSDカードはデータを削除した後の撮影や操作はほとんど行っていないということでしたので、復旧の可能性も高くお客様にも希望を持っていただくようお伝えしお預かりいたしました。

まずはSDカードの内部を解析させていただき、削除したデータのリストを作成します。
デジカメのデータですので、ファイル名はDSC0001.jpgなどの連番となっており、ファイルの作成日(=撮影日)の情報が残っていれば、どのデータが復旧対象かが判別できます。

一旦、削除したデータについては撮影日などの情報が消えてしまうこともあるのですが、今回解析したデータにもいくつも撮影日不明のデータが存在していました。
撮影日不明のデータの中にも復旧対象のデータがある可能性があるため、お客様にデータリストを送らせていただくと共に、データ復旧対象を特定の撮影日からSDカード内全てに変更させていただくことをおすすめするご相談をさせていただきご了承いただきました。

過去の削除写真も一緒に復元されますが、1枚でも多く対象の写真を復元するにはこの方法が適しています。

合計100枚程度の画像を復元し、納品させていただきました。
データを確認していただいたところ、復旧したかったデータは全て含まれているとのことで我々もほっといたしました。

デジカメの写真の削除操作は取り消すことができない機種が多いため、操作には細心の注意を払う必要があります。